カスタマーサクセスと営業の違いとは? KPIの違いや連携の重要性

「カスタマーサクセスと営業はどう違うの?」
「両者の関係性を知りたい」
と考えていないでしょうか?
カスタマーサクセスも営業も、活動を通して自社の売上に貢献する点では同じです。そのため両者の違いがわからない、あるいは同じものと捉える人も少なくないようです。
そこで今回は、カスタマーサクセスと営業の違いを、目的と役割、定めるKPIの3つの観点から解説します。両者の違いや連携する重要性を理解したうえでカスタマーサクセスに取り組みたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
|【おさらい】カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、自社のプロダクトやサービスを通して顧客の成功をサポートし、LTVを最大化させることで事業を成長させる取り組み、また実践する部署を指します。
従来の買い切り型ビジネスとは異なり、サブスクリプションを代表とするリテンション型ビジネスでは、既存顧客に継続してもらわないと事業が成り立ちません。リテンション型ビジネスでは、顧客が契約した時点ではCAC(Customer Acquisition Cost=顧客獲得単価)を超えることがなく、一定期間契約を継続することではじめて利益を生み出すためです。
しかしリテンション型のサービスは契約のハードルが低い反面乗り換えも容易なので、「価値がない」「役に立たない」と感じた顧客はすぐに解約してしまいます。そのため既存顧客に成功体験を提供し、自社プロダクトやサービスに価値を感じてもらうカスタマーサクセスの取り組みが重要視されるようになったのです。
|カスタマーサクセスと営業の違い
「顧客と良好な関係を築くことがカスタマーサクセスの仕事であるなら、営業と変わらないのでは」と思った人もいるのではないでしょうか。しかし営業とカスタマーサクセスにはさまざまな違いがあります。
ここでは以下の3つの観点から、両者の違いを確認しましょう。
・目的
・役割
・KPI
順番に解説します。
■目的の違い
カスタマーサクセスと営業の目的は、以下のように異なります。
・営業の目的:新規顧客獲得による売上向上
・カスタマーサクセスの目的:LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)最大化
営業の目的は、新規顧客を獲得し、顧客母数を増やすことです。リテンション型ビジネスにおいても、既存顧客だけで経営を維持するネガティブチャーンの状態にまで成長させるのは容易なことではありません。解約やダウングレードによる売上減をカバーできるだけの新規顧客を獲得し続ける必要があり、営業はその目的で活動をおこないます。
一方カスタマーサクセスの目的は、営業が獲得して契約に至った顧客の解約を防ぎ、できるだけ長く継続利用してもらい、LTVを最大化させることです。目的実現に向け、オンボーディングを皮切りに顧客の成功体験を支援し、価値を感じてもらうための活動をおこないます。
■役割の違い
営業とカスタマーサクセスは、営業プロセスのなかで果たす役割も異なります。以下のリテンション型ビジネスモデルで多く採用されているセールスプロセスモデルをもとに、それぞれの役割を紹介します。
・営業の役割:マーケティングから引き継いだ顧客の育成と受注
・カスタマーサクセス:営業が獲得した新規顧客の維持、アップセル・クロスセルの働きかけ、プロダクト改善など
営業は、マーケティングが獲得した見込み客と良好な関係を築き、ホットリードに育てたうえで契約に至らせるのが役割です。とくにBtoBにおいては、長い検討期間を要することが多く、その間継続的に有益な情報を与え続けなければなりません。
対してカスタマーサクセスは、営業が契約まで結びつけた新規顧客に対し、実際に自社プロダクトやサービスを通して価値を感じてもらい、できるだけ長く維持することが役割です。
顧客の状態を見極め、適切なタイミングでアップセル・クロスセルを促して売上向上に努めます。必要に応じ、開発部門などにプロダクト改善を働きかけることもあります。
■KPIの違い
目的や役割が異なることから、営業とカスタマーサクセスではKPIにも違いがあります。
・営業のKPI:商談数、新規顧客数、新規契約金額など
・カスタマーサクセスのKPI:解約率、アップセル数、継続率など
営業は新規顧客獲得が目的であるため、商談数や新規獲得した顧客数などをKPIとします。一方カスタマーサクセスは、顧客をどれだけ維持できているかを測るために、解約率や継続率などを定点観測し、数値改善に努めます。
|解約率は営業にも関係がある
リテンション型ビジネスにおいて、「解約率」はカスタマーサクセスだけではなく、企業全体としても非常に重要なKPIのひとつです。
顧客の解約を防ぎ解約率を下げるのはカスタマーサクセスの役割ですが、営業も大いに関係があります。顧客が解約する理由は、オンボーディングの失敗や顧客担当者の異動、想定の効果が得られなかったなどさまざまです。そのなかには、営業段階における以下のようなミスが原因で解約に至るケースも少なくありません。
・契約数を伸ばすために、そもそもサービスにマッチしない顧客を獲得してしまった
・営業段階で期待値を上げすぎてしまい、サービス導入後にがっかりさせてしまった
・顧客の課題やニーズを把握しきれていなかった
・サービスの理解が浅かった
このような状態にあると、カスタマーサクセスの努力だけでは顧客の解約は防げません。解約率はカスタマーサクセスのKPIですが、解約は必ずしもカスタマーサクセスだけの責任ではなく、営業にも大いに関係がある数値なのです。
|売上の最大化には連携と協力が不可欠
個々の顧客のLTVを向上させ、売上を最大化させるには、営業とカスタマーサクセスの協力が不可欠です。両者が協力すると、以下のようなメリットを得られます。
・営業と顧客のデータを共有することで、顧客理解が進み適切な提案ができる
・「自社を理解してくれている」と感じた顧客の信頼を得て良好な関係を築ける
・結果的に継続率が高まり、売上が向上する
そもそも営業が新規顧客を獲得しなければカスタマーサクセスは役割を果たせず、そしてカスタマーサクセスが成功しなければ結果的に営業は売上に貢献できません。互いの目的を実現するためにも、両者は両輪となる必要があるのです。
|まとめ
カスタマーサクセスと営業は自社の売上に貢献する部署という点では同じですが、その目的や果たす役割には違いがあります。
・営業は新規顧客を獲得することで売上に貢献する
・カスタマーサクセスは営業が獲得した顧客を継続・維持させることで売上に貢献する
目的こそちがうものの、両者はどちらかが欠けてしまうと結果的に目的を達成できない関係性にあります。自社の売上を最大化させていくためには、カスタマーサクセスと営業の相互理解と協力は欠かせないといえるでしょう。