BtoCとBtoB別にご紹介!カスタマーサクセス成功事例8選

カスタマーサクセスを実施するにあたり、悩み事は尽きないものです。
たとえば、次のような点で考え込んでしまっていませんか?
・カスタマーサクセスの事例は?
・BtoBとBtoCでの違いは?
・カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの違いは?
今回は、ビジネスモデルごとのカスタマーサクセスの事例ついてご説明します。
是非最後まで読んで事例からヒントを得てください。
|カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスは直訳すると“顧客の成功”という意味を持ちます。
この言葉は、サブスクリプションモデルの普及により一般的になってきた言葉です。顧客がサービスを通して成功(目的の達成)できるように、契約後に行う全ての活動や組織のことをカスタマーサクセスと呼びます。
カスタマーサクセスをよく理解し、実際に自社に取り入れていくには、今現在ある成功事例を参考にするのが近道です。
まだまだ馴染みのないカスタマーサクセスを効果的に導入するには、どのような顧客の潜在的課題があり、それに対してどうアプローチしていけばいいのか、自らも多くのカスタマーサクセスに触れることが大切です。
たくさんの成功事例に触れることで、自社の事業にマッチしたカスタマーサクセスの手法を見つけ出すことができるでしょう。
|【BtoB】カスタマーサクセス事例4選
まずは、BtoBでのカスタマーサクセス事例をご紹介します。 貴社のサービスに合う手法もきっと見付けられるでしょう。
■SmartHR(国内)

SmartHRは、人事や労務に関する業務効率化を促進するシステムで、入退社手続きや雇用契約、Web給与明細、年末調整など、人事・労務に関する幅広い業務をカバーし、多くの企業に導入されています。
SmartHRのカスタマーサクセスでは、「チームそれぞれの業務が明確に分かれていること」が特徴です。 SmartHRの実施しているカスタマーサクセスは、3つのチームで実践しています。
・中小企業向けチーム(導入用ウェビナー/利用促進eラーニング提供)
・大企業向けチーム(導入支援ミーティング/利活用課題解決)
・各チームを支えるサポート業務(運用環境の企画など)
特にサポート業務を担うチームでは、BtoBビジネスとカスタマーサクセスへの理解力、BIツールを利用したデータ分析力が求められ、その知識や理解を持って「中小企業向けチーム」「大企業向けチーム」が顧客に寄り添う役割を果たします。 このように、カスタマーサクセスでは、チームを分け、それぞれに与えられた役割に専念するための体制づくりが求められることもあります。
■ベルフェイス(国内)
ベルフェイスは、オンライン営業システムとして信頼が厚く、大手企業でも導入されています。ベルフェイスでは、基本的にすべての契約企業に「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」な対応を実施、チームでカスタマーサクセスに取り組んでいるのが特徴的です。
・ロータッチ担当
・テックタッチ担当
・ハイタッチ担当
・オンボーディング担当
それぞれのチームスタッフを適宜揃え、各企業へカスタマーサクセスを実施しているのです。
ただ、闇雲にハイタッチ対応をするのではなく、利用状況のデータから3つの視点でスコアリングし、4つの顧客状態に分類します。
3つのスコア状況を計測しつつ、「〇〇が××になったら△△する」というフローチャートに則り、その時その時に必要なハイタッチ対応を実施しています。
■Adobe(海外)

Adobeは、画像関連ツールやPDFを中心に、世界中にユーザーを持つ大手企業です。
Adobeの製品群はクリエイティブな業務を行う大企業から個人ユーザーまでを顧客としているので、顧客への対応が想像以上のパターンに分けられるという面を持っています。 顧客の利用状況を自動的に分析する仕組みを作成、契約のうち大多数を占める中小企業を中心に、適切なタイミングで最適なアクションをすることに注力しています。
Adobeが特に重要視しているのは、次の点です。
・人(顧客と直接コンタクトする人材/フィードバックを得る)
・プロセス(費用対効果の大きなアクションを発見/行うべきアクションを掘り下げる)
・テクノロジー(顧客とのやりとりの記録/情報の活用)
すべてのアクションをハイタッチ対応で行うわけではなく、利用ログや他の情報からユーザーの状況を把握しつつ、CRMシステムによりサポートすることをベースとしているのです。
■Slack(海外)
今やビジネスに欠かせないコミュニケーションツールとなったSlack。 Slackもカスタマーサクセスに取り組んでいます。 データ分析により利用頻度を測るのはもちろんのこと、「導入(ログイン)」「成熟度(業務自動化/他のアプリとの連携)」「感情(組織内でのつながり)」でユーザーを評価しています。
日本国内の企業に向けての具体的なアプローチは、
・チャンピオンズネットワーク(ユーザー会/事例の共有)
・アンバサダーネットワーク(企業内のパワーユーザー会/Slack担当者との接触と社内へのユーザー拡大)
・エグゼクティブビジネスレビュー(対面ミーティング/顧客ニーズの引き出し)
が主なものです。いずれもハイタッチ層への施策ですが、日常的にユーザーの利用状況をウォッチしているからこそ実施できるものでしょう。
|【BtoC】カスタマーサクセス事例4選
ここからは、BtoCのカスタマーサクセス事例をご紹介します。
顧客が組織ではなく個人という特徴から、上のBtoBとは違ったアクションが求められます。「成果」の追求も必要ですが、より「顧客心理」への寄り添いが求められる点が特徴です。
■カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの違い
BtoCのカスタマーサクセス事例をご紹介する前に、まずカスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスとの違いを見ていきましょう。カスタマーサクセスとは、記事の冒頭でもご説明したように、「顧客がサービスを通して成功(目的の達成)できるように、契約後に行う全ての活動や組織のこと」を指します。
一方、カスタマーエクスペリエンスとは、製品やサービスを通じて得られる顧客体験全体のことを指します。
カスタマーサクセスでは「成果(顧客の成功)」が重要となります。カスタマーサクセスの活動を含めた、サービス利用中のCX(カスタマーエクスペリエンス)を最大限向上させることで、顧客は成果を得ることができ、契約の継続に繋がるのです。
ただBtoCの場合、「成果=感動体験」であることも多く、このことからBtoCのカスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスをひとくくりにされることがある点についても抑えておくといいでしょう。
■メルカリ(国内)

個人間取引のプラットフォーム「メルカリ」は、近年大きくユーザーを伸ばしたサービスとして認知されています。
メルカリのカスタマーサクセス施策は、次のようなものがあります。
・メルカリサロン(ユーザーサロン/利用体験のヒアリング)
・VoC読み込み合宿(ユーザーの声を様々な角度から見る合宿)
・顧客への対応(有益な意見を寄せてくれたユーザーに改善したことを伝える)
安心・安全な取引を実現するため、顧客にはできないことも「肩代わり」するのがメルカリの特徴です。
匿名で素早く発送できるようメルカリ便を構築したり、ユーザーの声を活かした仕様変更をするためにCSP(Customer Service Product・データや顧客の声から開発をサポートするチーム)と、CRE(Customer Reliability Engineering/アプリ改善や問題発生を事前に発見するツール開発するチーム)を設置、顧客の成功体験を追い求めるため社内・社外の仕組みづくりを続けています。
■スターバックス(海外)

人気の高いスターバックスも、カスタマーサクセス成功の事例として挙げられます。
コーヒーショップとしては1品1品の単価は高いものの、幅広い顧客のニーズを満たすことで成功しています。 ゆったり過ごせる深めのソファ、電源とWi-Fi、季節ごとの特別メニューなど、「滞在する時間」そのものを楽しめる工夫が施されています。
また、都市部には多くの店舗を構えていますので、「隙間時間でちょっと仕事を進めておきたい」「打ち合わせに使いたい」といったビジネスパーソンのニーズにも応えています。
特筆すべきことは、店員がとてもフレンドリーであること、定期的にコーヒー講座を開催していること、スターバックスカードをWeb登録することでポイントを獲得できることがあります。 いつでも、だれとでも訪れたくなる場所の提供、定期的に利用したくなる工夫で、衰えることのない人気を誇っています。■Netflix(海外)
ストリーミングサービスのひとつであるNetflixも、BtoCのカスタマーサクセス事例に数えられます。「顧客満足」のために、いくつかの施策が用意されています。
・オリジナルコンテンツの準備
・多言語対応
・プランの多様化
顧客は、好みに応じたコンテンツ、よそでは見られないオリジナルコンテンツを楽しめますし、自分に合ったプランを選ぶことで「コストに見合った満足(費用対効果)」を追求できます。
また、他のSaaSモデルとは異なる点として、次があります。
・長期間利用していないアカウントに対し、更新のタイミングで「更新しない」を選ぶことで自動解約
通常のSaaSモデルの場合、最低額のプランでも「継続してもらう」ことで利益を確保しようとします。 ですが、Netflixはあえて「カンタンに解約できるしかけ」を仕込むことで、SaaSにありがちななかなか解約に至らないという不満を解消し、利用をやめるユーザーにも満足を提供しています。
短期的な目線では解約が増えてしまうかもしれませんが、中長期的に見ると再契約に繋がりやすい施策と言えるかもしれません。
■アマゾン・エコー(海外)
トリガーワード「アレクサ」に反応し、多くのサポートを提供してくれるアマゾン・エコーも、多くのカスタマーサクセスを実現しています。発売当初はアマゾンプライムミュージックから楽曲を流すスマートスピーカーでした。 ですが、その後、他の音楽サービスを利用できるようになり、さらにはタイマー設定や連携させた他の家電製品のコントロールまでこなせるアシスタントにまで機能拡大しています。
その中でも特に顧客の満足体験を決定的にしたのが、「ウィスパーモード」です。 子どもの寝かしつけのために音楽を流すとき、大声で「アレクサ、音楽を止めて」とは言えません。 小声で「止めて」と言っても、それを認識するのがウィスパーモードです。 この機能は、多くの親御さんにとって非常にありがたい成功体験でしょう。
|まとめ
カスタマーサクセスやカスタマーエクスペリエンスは、いずれも「顧客の満足」を追求するものです。
ただ、顧客に対するアクションの内容やタイミングが違ったり、商品/サービスそのものよりも、「体験」が成功を感じさせるという面で違っていたりします。 カスタマーサクセスでは、BtoB/BtoCの違いで、顧客満足のポイントが違い、そのため、実施すべきことは異なります。
今回取り上げた事例から、貴社の商品/サービス、顧客に合った「満足」を提供するヒントが見つれば幸いです。

顧客利用状況の可視化をはじめ、利用状況に合わせた自動アプローチやカスタマーサクセス担当者のタスク管理はスプレッドシートなどで手動管理できますが、運用の工数と技術の限界は事業拡大の壁になるでしょう。
カスタマーサクセス専門ツールであれば。。。
→顧客利用状況の自動トラッキング
→利用状況に合わせた顧客向けのポップアップやメール自動配信
→利用状況に合わせたタイムリーな担当者タスク管理など
を可能にしますので、カスタマーサクセスの工数減少・月次解約率・アップセル率を向上させることができます。
おすすめなツールを下記でご紹介していますので、ぜひご参考にしてくださいませ。