活用方法を紹介!カスタマーフィードバック収集&分析のメリット

「カスタマーフィードバックはどのように活用するの?」
「カスタマーフィードバックを集めるメリットを知りたい」
このように考えてはいませんか?
「顧客の声」を知るために、カスタマーフィードバックを集めるのは有効な方法です。しかしカスタマーフィードバックは、ただ集めて個々に対応していては効果的に活用しているとはいえません。
今回は、カスタマーフィードバックを自社の事業に役立てたいとお考えの方に向けて、カスタマーフィードバックの概要や収集するメリットを、具体的な活用方法まで含めてご紹介します。
|カスタマーフィードバックとは?
カスタマーフィードバック(Customer Feedback)とは、その名の通り「カスタマー(顧客)」からの「フィードバック(反応や意見、評価)」のことです。 現在の日本では、人口の減少により多くの市場が飽和し、新規顧客の獲得は難しくなるばかりです。さらにテクノロジーの進化で、プロダクトそのもので差別化することが難しくなりました。
似たような商品やサービスがあふれるなか、自社プロダクトを使い続けてもらうには、顧客に対して満足度の高いCX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験)を提供しなければなりません。
CXの質を向上させていくには、顧客がプロダクトの利用を通してどのような体験をし、そしてそれにどの程度満足したのかを知る必要があります。そのための重要なデータとなるのが、カスタマーフィードバックなのです。
|カスタマーフィードバックマネジメント(CFM)とは?
カスタマーフィードバックマネジメント(Customer Feedback Management=CFM)とは、自社が提供するCXに対するカスタマーフィードバックを収集・分析することで、オペレーションやマーケティング、商品開発などのビジネスプロセスを改善し、最終的には自社の収益に反映させることを意味します。
CFMでは、具体的には以下の3つを行います。
・顧客の声を継続的に収集・分析する
・分析結果を反映した既存顧客の囲い込み施策を実行する
・実行した施策がどの程度効果を上げたかを検証する
CFMに成功すると顧客の満足度が向上し、リピート・継続利用が見込めるようになります。つまり顧客のLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)が上昇し、収益が増大していくのです。
|フィードバック収集するメリットとは?
顧客のフィードバックを収集することには、以下の3つのメリットがあります。
・サービスや顧客対応の適切さを検証できる
・顧客の意見をサービス改善に使える
・顧客要望の集計でロードマップを設計できる
順番に見ていきましょう。
■サービスや顧客対応の適切さを検証できる
顧客のフィードバックを収集する1つ目のメリットは、自社が提供しているサービスや顧客対応が適切なものであるかを検証できることです。
プロダクトを開発・提供するときには、ターゲットや利用シーンを設定します。しかし市場にでたあとに、想定した通りに受け入れられるかは未知数です。たとえば電動アシスト自転車は、もともとは足腰の弱い高齢者用に開発されたものでした。しかし自らを高齢者とカテゴライズしたくないシニア層にはそっぽを向かれ、実際に支持したのは保育園に子どもを送迎する主婦だったのです。そういった状況を把握・理解し、子育て中の主婦の要望を聞いたうえで路線変更した結果、一気に普及していきました。
このように、顧客の声を収集すると、自社が向かっている方向が正しいのかを確認し、必要に応じて軌道修正できるようになるのです。
■顧客の意見をサービス改善に使える
顧客のフィードバックを収集する2つ目のメリットは、サービスの改善に役立てられることです。
顧客から寄せられるフィードバックには、ネガティブな意見も含まれます。顧客が自社プロダクトのどういった点が気に入らず、不満を持っているのかを知ることは、サービスを改善するのには欠かせません。社内でいくら改善を進めようと思っても、第三者の視点を持つのは困難だからです。
顧客はコストをかけただけの価値があるかを冷静に判断し、客観的なフィードバックを返してくれます。そうした意見は、企業にとって非常に価値があるのです。
■顧客要望の集計でロードマップ設計できる
顧客のフィードバックを収集・集計すると、プロダクトやサービスの改善のロードマップを適切に設計できるようになるのもメリットです。
商品やサービスの改善点が複数見つかると、どれから手をつければいいのか判断できなくなりがちです。そんなとき、顧客のフィードバックを集計できていれば、優先度をつけるのに役立ちます。
たとえば社内では早急に改善が必要と思われていても、顧客からの不満があまりないなら後回しにし、より要望が多い問題を優先するといった判断を、データに基づいて行えるようになるのです。
|クローズドループとは?カスタマーフィードバックのPDCA
クローズドループとは、顧客からのフィードバックを受けてそれに向き合い、全社的に改善に向けた検討をして行動を起こし、その結果を顧客に共有するサイクルを指します。顧客の意見を含めたPDCAサイクルを実施し、第三者の声を定期的にプロダクトに反映することで、長期間的に改善やサービス拡大できるようになります。ここではクローズドループを実行するための4つのステップを解説します。
■1)カスタマーフィードバックの収集
クローズドループを運用するには、まずはカスタマーフィードバックを収集する必要があります。カスタマーフィードバックを収集するには、以下のような方法が考えられます。
・NPS®や顧客アンケート
・ヒアリング
・カスタマーサポートや営業のデータ分析
・口コミやレビュー、SNSの書き込みの分析
顧客アンケートやカスタマーサポートなど、顧客から能動的に寄せられるフィードバックだけでは内容が偏る懸念があります。顧客のリアルな意見を聞くためには、口コミやレビュー、SNSの書き込みなどの分析も実施しましょう。
■2)フィードバック分析
収集したフィードバックは、個々に注目するのではなく総合的に分析し、全体像を把握することが重要です。全体的な意見やサービスに対する期待を読み取ることで、サービスの改善や追加機能の開発をするにあたり、より効果的な判断ができるようになります。
さまざまなチャネルで収集したフィードバックを分析するには、まずは寄せられたフィードバックを「顧客の要望」と「顧客の課題」に分類します。
顧客の要望に関しては、すべてに応える予算や人材がないケースが多いでしょう。その場合、顧客関係によって重要性を決めるのが一般的です。基本的には、契約金額の高い、あるいは契約期間が長い顧客の要望は優先してかなえる必要があります。一方とくに優先順位がない場合には、要望の数が多い案件から実現するといいでしょう。
顧客の課題に関しては、社内のプロジェクトマネージャーや開発メンバーで適切なソリューションを考えます。ただしすべての課題を解決しようとすると、かえって機能が複雑になり、CXを損なう可能性があります。顧客優先順位や案件の数、そしてプロダクトの方針を考え、実現するかしないかを判断することが大切です。
■3)課題改善を実施
分析結果に基づき、必要と判断された改善案を実施し、プロダクトやサービスに反映させます。
■4)顧客連携で改善を検証
クローズドループを達成するには、実施した改善策の結果を、フィードバックしてくれた顧客に共有することが大切です。この段階で、実施した変更が顧客の想像通りのものであったか、希望通りに実現できたか、変更によって満足度が上がったかを確認します。
顧客の反応が悪ければ、変更内容を微調整する必要があります。対して反応が良い場合には、公式に導入するかを検討することになるでしょう。
この一連のサイクルを繰り返して行うことで、一歩ずつサービスが改善され、満足度の高いCXを提供できるようになるのです。
※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS®、そしてNPS®関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標またはサービスマークです。