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【徹底解説】チャーンレート(Churn Rate)とは?サブスク型SaaSに欠かせない指標

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【徹底解説】チャーンレート(Churn Rate)とは?サブスク型SaaSに欠かせない指標

「チャーンレートってどうやって計算するの?」
「チャーンレートの重要性があまりよくわからない」

最近ビジネスを継続していくうえで重要な指標として、「チャーンレート」という言葉を見聞きすることが増えてきました。しかし計算の仕方を知らなくて使っていない、そもそもなぜ重要なのかがわからない、といった人も少なくないようです。

そこで今回は、チャーンレートが重視されるようになった背景や、チャーンレートの種類、計算の仕方まで、ケーススタディを含めて徹底解説していきます。さらに事業成長を加速するネガティブチャーンを目指すための、チャーンレートを下げる対策もあわせて紹介します。

最後まで読んでいただければ、チャーンレートを理解したうえで活用できるようになるでしょう。

|チャーンレート(Churn Rate)の意味は?


チャーンレートのChurnは解約、Rateは割合や比率を意味し、解約率を指す言葉です。全ユーザーのうち、解約したユーザー、有料プランから無料プランへと変更したユーザーの割合を示す指標で、「顧客離脱率」や「退会率」と呼ばれることもあります。

チャーンレートは、とくにサブスクリプション型ビジネスモデルにおいて、事業を成功させるために重視すべき指標とされています。

|注目されるようになった理由


チャーンレートが注目されるようになったのには、2つの理由があります。

■サブスクリプション型ビジネスモデルが台頭してきた

1つ目は、サブスクリプション型ビジネスモデルが台頭してきたことです。これまでは、商品やサービスを購入すると同時にユーザーに所有権が移る「買い切り型」がビジネスモデルの主流でした。ユーザーが購入した時点で顧客のLTV(顧客生涯価値)は最大となり、その時点でユーザーとの関係が終了しても、企業の収益に大きな影響を与えることはありませんでした。

一方、近年主流となりつつあるサブスクリプション型ビジネスモデルでは、ユーザーは「所有権」ではなく「一定の期間を利用する権利」を購入します。そのためユーザーが契約した時点では利益はほとんど発生せず、むしろ獲得にかけたコスト(CAC)を考えると赤字です。

ユーザーから利益を生み出すためにはできるだけ長く契約してもらう必要があり、そのためには解約を防ぐ、つまりチャーンレートを下げる必要があるのです。

■新規顧客獲得が難しくなってきた

2つ目の理由は、新規顧客の獲得が難しくなってきたことです。日本の人口は2008年を境に減少に転じ、同時にマイナスに転じた経済成長率も低成長を続けています。多くの市場は縮小傾向にあり、供給が需要を上回るなかでの新規顧客獲得は容易ではありません。

そのため獲得が困難な新規顧客よりも既存顧客に注目し、関係維持に注力する企業が増えてきました。そもそも既存顧客の維持は、新規顧客獲得の5分の1しかコストがかからないともいわれています。既存顧客をいかに維持するかを考えるときに、チャーンレートは重要な指標となるのです。

|サブスク型サービスとSaaSにおける重要性


チャーンレートはサブスク型サービスやSaaSにおいてとくに重要とされていますが、それはチャーンレートが事業の成長に大きなインパクトを与えるためです。

ここでは毎月200万円のMRRを積み上げている、サブスク型サービスを提供する企業を例に、チャーンレートが企業成長にどのような影響を与えるのかを、具体的に見てみましょう。

以下のグラフはこの企業のMRRとチャーンレートの関係を表したものです。縦軸がMRR、横軸は経過年数を表しています。相関性を示す曲線は、チャーンレートと仮定したものです。


チャーンレート5%の青い曲線は右肩上がりに伸び、MRRを順調に積み上げているのがわかります。対して10%の赤い曲線は30か月目を過ぎたあたりから成長が鈍化し、15%以上の曲線に至っては18か月目以降には横ばいとなり、ほとんど成長していません。

つまりこの企業が36か月(3年)後も成長を続けるためには、チャーンレートを5%程度に抑える必要があるとわかります。

チャーンレートは解約の割合を示すため、ユーザー数が増えるほどその影響は大きくなります。新規獲得のMRRと、チャーンによって減少した収益が一致した時点で、企業は成長できなくなってしまうのです。

|SaaSの目安チャーンレートはどのくらい?


SaaSにおいては、事業を継続的に成長させるための目安となるチャーンレートは3%とされています。

そもそもSaaSでは、1ユーザーあたりの収益性を示す「ユニットエコノミクス」が3以上であれば、ビジネスは健全に成長していると判断されます。さらに1ユーザーを獲得するのにかかったコスト、つまりCACを回収する期間は、12か月以内であるのが理想とされています。

<SaaSの理想の状態>
 ・ユニットエコノミクス:3以上
 ・CACの回収期間:12か月以内

ユニットエコノミクスはLTV÷CACで算出しますが、これはユーザーの平均継続期間をCACの期間で割っても同様です。

ユニットエコノミクス=平均継続期間÷CAC回収期間

SaaSの理想の状態であるユニットエコノミクス3、CAC回収期間12か月を代入すると、

3=平均継続期間÷12か月

となり、理想となる平均継続期間は

平均継続期間=12か月×3=36か月

であるとわかります。

チャーンレートは1÷平均継続期間でも算出できるため、理想のチャーンレートは

1÷36≒2.7%

と算出されます。

このように、ビジネスの健全性を示す指標である「ユニットエコノミクス=3」を満たすチャーンレートが約2.7%であることから、SaaS成功の目安となるチャーンレートは3%とされているのです。

|チャーンレートの計算方法


ここからは、チャーンレートの具体的な計算方法と、ケーススタディによる計算例を紹介します。

チャーンレートは、大きく以下の2つに大別されます。

 ・カスタマーチャーンレート(Customer Churn Rate)
 ・レベニューチャーンレート(Revenue Churn Rate)

それぞれの概要と、計算方法を紹介します。

■1)カスタマーチャーンレート(Customer Churn Rate)

カスタマーチャーンレートは、顧客(カスタマー)数をベースとした解約率で、チャーンレートのもっとも基本となるものです。カスタマーチャーンレートは、以下の計算式で求められます。

カスタマーチャーンレート=一定期間内に解約した顧客数÷期間当初の顧客数×100%

なお、解約した顧客数は、有料プランから無料プランにダウングレードした数も含みます。アカウントチャーンは顧客数がベースであるため、結果は常にプラスになります。

■2)レベニューチャーンレート(Revenue Churn Rate)

レベニューチャーンレートは、収益をベースとした解約率で、さらに2種類に分かれます。

グロスレベニューチャーンレート

グロスレベニューチャーンレートは、解約やダウングレードによる損失額にフォーカスしたもので、以下の計算式を用います。

グロスレベニューチャーンレート=期間内の損失額÷期首の定期収益額×100(%)

ネットレベニューチャーンレート

ネットレベニューチャーンレートは、解約やダウングレードによる損失額だけではなく、アップグレードやアップセル・クロスセルなどによる増収額も考慮したもので、以下のように算出します。

ネットレベニューチャーンレート=(期間内の損失額-期間内の増収額)÷期首の定期収益額×100(%)

■チャーンレートのケーススタディ

計算の仕方はわかったけれども、実際どのように違うのかよくわからない、と感じた人も多いのではないでしょうか。

そこでここでは以下の事例を使って、それぞれのチャーンレートを実際に計算し、違いを確認してみましょう。

<A社の事例>
期首の契約状況
 ・10万円のプラン:5社
 ・5万円のプラン:10社

期間中の変動
 ・10万円のプランの解約:1社
 ・10万円のプラン→5万円のプランへのダウングレード:1社
 ・5万円のプラン→10万円のプランにアップグレード:2社

期末の契約状況
 ・10万円のプラン:5社
 ・5万円のプラン:9社

①カスタマーチャーンレート
カスタマーチャーンレートでは、顧客数のみ考慮してチャーンレートを計算します。期首の15社が期末には14社となっているため、

カスタマーチャーンレート=(15-14)÷15×100=約6.6%

となります。

②グロスレベニューチャーンレート
グロスレベニューチャーンレートでは損失額に注目してチャーンレートを算出します。このケースの減収は、

 ・10万円プランの解約:10万円
 ・10万円プラン→5万円プランへのダウングレード:5万円

の合計15万円であるため、以下のように計算します。

グロスレベニューチャーンレート=15÷100×100=15%

カスタマーチャーンレートは6.6%ですが、グロスレベニューチャーンレートは15%と高くなりました。このようにグロスレベニューチャーンレートは収益ベースで見るので、カスタマーチャーンレートに比べより実態に近いものになります。

③ネットレベニューチャーンレート
ネットレベニューチャーンレートでは、損失額だけでなく、増収額も考慮して算出します。このケースの減収は、

 ・10万円プランの解約:10万円
 ・10万円プラン→5万円プランへのダウングレード:5万円

の合計15万円です。
対して増収は、

 ・5万円プラン→10万円プランへのアップグレード:5万円×2社

の10万円なので、

ネットレベニューチャーンレート=(15-10)×100=5%

となります。

アップセル・クロスセルを考慮すると、グロスレベニューチャーンレートよりもチャーンレートが下がりました。

このように、顧客数とMRRのどちらをベースにするか、またレベニューチャーンレートでもアップセル・クロスセルを考慮するかしないかで、チャーンレートは異なります。

自社にはどのチャーンレートを指標とするのが適しているのかは、よく検討することが重要です。

|ネガティブチャーンとは?


ネットレベニューチャーンレートでは、アップセル・クロスセルにより増えた収益を考慮するため、解約やダウングレードによる減収よりも増収が上回った場合には、チャーンレートはマイナスになります。

ネットレベニューチャーンレートがマイナスになった状態は、ネガティブチャーンと呼ばれます。

ここでも事例をもとに、計算してみましょう。

4月月初の契約内容
 ・10万円のプラン:5社
 ・5万円のプラン:10社

期間中の変動
 ・10万円のプランの解約:1社
 ・10万円のプラン→5万円のプランへのダウングレード:1社
 ・5万円のプラン→10万円のプランにアップグレード:4社(先ほどの2社から4社に増)

4月末の契約内容
 ・10万円のプラン:7社
 ・5万円のプラン:7社

このケースの減収は、
 ・10万円プランの解約:10万円
 ・10万円プラン→5万円プランへのダウングレード:5万円

となり、先ほどと同額の15万円です。
対して増収は、アップグレードした企業数が先ほどの2社から4社に増えたため、

 ・5万円プラン→10万円プランへのアップグレード:5万円×4社=20万円

と20万円になりました。これらをもとにネットレベニューチャーンレートを計算すると、以下のようになります。

ネットレベニューチャーンレート=(15-25)÷100×100=-10%

結果がマイナスになり、ネガティブチャーンとなりました。

ネガティブチャーンは、解約やダウングレードによる減収があっても、アップグレードやアップセル・クロスセルによる増収がそれを上回るため、既存顧客だけで事業を成長させていけることを意味します。さらに新規顧客からの収益はそのまま上乗せされていくので、事業成長は加速します。

ネガティブチャーンを達成するのは、容易なことではありません。しかしSansanやチームスピリットなど、ネガティブチャーンを実現している企業があることも事実です。

ネガティブチャーンを実現するには、チャーンレートを減少させるとともに、アップセル・クロスセルを促していくことが大切です。

|チャーンレートを減少させるための対策


ここではチャーンレートを減少させるためにできる具体的な対策を、5つご紹介します。

 ・解約に繋がる行動を早めに察知する
 ・ユーザーガイドを作る
 ・ユーザーフィードバックを集める
 ・カスタマーサクセス体制を立ち上げる
 ・解約率を下げられるツールを導入する

順番に解説していきます。

■解約に繋がる行動を早めに察知する

ユーザーがチャーンするのを防ぐには、解約に繋がるような行動を早めに察知し対策することが大切です。

昨日まで毎日ログインし、何時間もサービスを利用していたユーザーが、今日になって突然解約するケースはそれほど多くありません。ユーザーがチャーンするときには、なんらかの兆候があるものです。

たとえばこれまで毎日ログインしていたのに週に1回しかログインしなくなった、毎回イベントに参加していたのに最近姿が見えないなど、自社プロダクトから距離が開いてきているようなら、チャーンのリスクが高くなっていると考えられます。チャーンを防ぐためには、なにか問題がないか顧客にヒアリングするなどアプローチが必要です。

また、契約更新の時期は顧客も他社への乗り換えを考えるなど、チャーンを検討しやすくなります。とくにハイタッチ層の顧客については、契約更新時期の行動に異常がないか、注視する必要があるでしょう。

■ユーザーガイドを作る

ユーザーが問題を自己解決できるよう、ユーザーガイドを作ることもチャーンを防ぐのに役立ちます。いくら便利で優れた機能を備えていても、ユーザーが使いこなせなければ価値を感じてもらえません。

ユーザーガイドがなければ、ユーザーはサポートに問い合わせると企業側は考えますが、実際に行動に移すことはあまりありません。質問するのが面倒に感じてそのまま放置し、やがて使わなくなりチャーンへと繋がってしまいます。

■ユーザーフィードバックを集める

ユーザーにアンケートを取るなどしてフィードバックを集め、顧客の声に耳を傾けることも大切です。ユーザーがどういった点に不満を感じているのか、使いづらいと思っているのはどの部分なのかを明らかにできれば、製品やサービスの改善に役立てられます。

基本的にロイヤリティの高い顧客のチャーンレートは低いため、顧客ロイヤリティを測定できるNPS®(ネット・プロモーター・スコア)調査などを実施し、数値の低いユーザーがどのような課題を感じているのかを洗い出すといいでしょう。

NPS®について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【事例あり】NPS®とは?顧客満足度より業績向上に繋がる指標を解説

■カスタマーサクセス体制を立ち上げる

SaaSやサブスク型ビジネスを行っている企業なら、カスタマーサクセス体制を立ち上げるのもおすすめです。

カスタマーサクセスとは、自社プロダクトを通して顧客が目的を達成できるよう、能動的に行う活動を指します。問題が発生する前にその芽を摘むことで、顧客がつまずくことなく成功にたどり着けるように伴走支援する組織です。

プロダクトが「自社の成功に役立つ」と顧客に感じてもらえれば、チャーンの可能性を大きく減らせます。

カスタマーサクセスについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【入門編】カスタマーサクセスとは?基礎から徹底的に解説

■解約率を下げられるツールを導入する

チャーンレートを下げるには、解約率低下に役立つツールを導入するのも方法のひとつです。

ここまでチャーンレートを下げる方法として、顧客の解約に繋がる行動を早めに察知する、フィードバックを集める、カスタマーサクセス体制を整えるなどご紹介してきました。これらをスムーズに実行するには、顧客の利用状況を確認したり、適切なコミュニケーションを取ったりし続ける必要があります。

顧客数が少なければエクセルなどでの管理も可能ですが、リアルタイム性に欠けるうえ、一定の手間ヒマがかかります。一方カスタマーサクセスツールなどでは、顧客の利用状況をモニタリングし、チャーンの可能性が高くなったらアラートしてくれるので、顧客の異常を見落とすことがありません。

チャーンレートを効率的に下げていきたいのであれば、ツールの導入を検討してみるといいでしょう。

※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS®、そしてNPS®関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標またはサービスマークです。



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